CLIDAS-PCIデータベースを活用した熊本大学・大塚康弘先生の研究成果がCardiovasc Interv and Ther (CVIT) 誌に採択されました。本研究は、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の高出血リスク(HBR)因子として注目される「活動性悪性腫瘍」に着目し、がん既往のある患者を対象に、心房細動等に対する抗凝固療法の有無および薬剤の種類(直接経口抗凝固薬[DOAC]またはワルファリン)による出血イベントの発生状況を、PCI施行後3年間にわたり観察した過去起点コホート研究です。結果、抗凝固療法を施行していない群と比較して、DOAC投与群では出血リスクに有意な差を認めませんでした。一方、ワルファリン投与群では有意に出血イベントの発生率が高いことが明らかとなりました。これらの知見は、がん既往を有するPCI施行患者におけるDOAC使用の安全性を裏付ける、実臨床データに基づいた重要な所見であり、今後の抗凝固療法選択に対する重要なエビデンスとなることが期待されます。
Long-term bleeding events post-percutaneous coronary intervention in patients with malignancy with and without anticoagulant therapy
Cardiovasc Interv and Ther. 2025, in press.
Otsuka Y, Ishii M, Ikebe S, Tokai T, Nakamura T, Tsujita K, Akashi N, Fujita H, Nakano Y, Matoba T, Kohro T, Oba Y, Kabutoya T, Kario K, Imai Y, Kiyosue A, Mizuno Y, Nochioka K, Nakayama M, Iwai T, Miyamoto Y, Sato H, Nagai R.